【完】続・狼王〜全国一の暴走族とわたし〜

「は…?」


翼は顔を歪めていた。


そりゃあそうだ。


例え敵だとしても、ここまで酷いとさすがの俺も言葉を失う。


仲間からやられた…。


この言葉が俺は大嫌いだ。


斗真の顔はわからないほどに変形し、腕や足は包帯だらけ。


今だに眠り続ける斗真に、さっきまであった怒りが消えた。


「俺らが取り締まってるある地区に用事あってな。

久々に見回りも兼ねて歩いてたんだよ。

したら、こいつがやられてんのが見えた。

1人に対して大勢でかかってんのは見逃せねぇ。

んで、調べてもらったらこいつのなかまだったんだよ。」