なんとなく……少しだけだけど覚えてる気がする。


どうしようもなく嫌になった日があって、私のことを悲しそうに見つめる男の子がいた。


その子ならって思って1度だけ助けを求めたんだ。


けれどその子さえも私を助けてはくれなかった。


それからは絶対に誰かに助けを求めるのはやめようって決めたんだっけ。


それが斗真だったなんて…。


「あの時は恨んだよ。

どうして助けてくれないんだろうって。

他の奴らと違う目してたのに。

結局同じなんだって。

でも……本当は違ったんだね?

私を助けようと…してくれたんだね?」


俯いてる斗真の両頬を掴んだ。