それから数分、桐生が走り回って探した団員が全員そろった。

「一ノ瀬、そろったよ」
「ああ」

一ノ瀬の返事と共にパソコンのエンターキーを押す音が大きくなる。

すると、その音を合図にして我が家の様にくつろいでいた団員全員が真面目な表情に変わる。

「で、話ってなんだよ」

話を振ったのは徳川 隼(とくがわ しゅん)。こういう時に話を切り出すのはだいたい徳川であることは、青団歴一ヶ月の瑞貴にもわかる。

そしてその問いに、一ノ瀬は少し間をおき答えた。


「紫団から、果たし状が届いた」

団員の表情が、今度は挑発的な笑みに変わる。

「来たね……ついに」

その中でも特に楽しそうな顔をしていた桐生。声からもワクワクしているのが伝わった。

「なんだよ、前から分かってたみたいな口聞きやがって」

伊織彰(いおりあきら)は嫌味な言い方だが、本気で言っている訳ではない事がすぐにわかる口調で桐生へ言葉を投げた。


いつも通りの会話だな、と瑞貴は思った。そしていつも通りと思える事は、青団にも自分の居場所ができて来たのかもしれない、とも考えた。