―昼休み、わたしは崎田に「一緒にお昼食べよー(うるうる)」と言われ断ることが出来ず、今屋上にいる。


「わぁ!和架ちゃんの卵焼き美味しそう…」

「食べる?」

「いいの!?」

「いいよ、別に。あと2個あるし」

「うわぁい!ありがとう!」



はぁ…わたしは何をしているんだ。さっさと瑛太とのこと、どうにかしなくちゃいけないのに…。
…あんな浮気野郎なんて嫌いな筈なのに、心のどこかでは『嫌だ!別れたくない!!』と訴える自分がいる…。

わたしは、一体どうすればいいんだろう…?





「……和架ちゃん!」

「へぁ!?」

考え事をしていたせいで変な声が出てしまった。

「この卵焼き甘くて美味しいよ!もしかして、和架ちゃんが作ったの?」

「あ、うん」

「やっぱり!?すごいなぁ…」

「そんなに卵焼きに喜びを見出だせるお前もスゴいよ」←



「…和架ちゃんの作った卵焼きだからだよ」

そう言って、優しく微笑む崎田。

その、いつもとはちょっと違う笑みに、わたしはまた、ドキッとしてしまう。


―何ドキドキしてんだよ、わたし……!///