―わたし、柊和架はどこにでもいるような普通の女子高生。
セミロングでストレートの黒髪は、普段はポニーテールにしてる。
…でも今日は、瑛太と久しぶりのデートだったから張り切った。
ポニーテールをおろして、美容院でゆるくてふんわりしたウェーブをかけてもらった。
けど、その帰り道、わたしは見てしまったんだ。
女の子と二人っきりで楽しそうに店に入っていく、瑛太の姿を。
見た瞬間、何が起きているのか、全くわからなかった。
けど、ようやく理解した直後、大きな悲しみが襲ってきた。
そして、わたしは大粒の涙をこぼしながら、家に帰った。
――――
―――――――…
店から出た後、あたしはあの日と同じ道を歩いていた。
…これでよかったのかな?
…何でだろう?何でこんなことになってしまったの?あ、それは瑛太があの日あんな風にしてたからか。でもさ、私もここまでする必要あったのかな?冷静に瑛太にワケを話してもらえばよかったんじゃない?でも、私の気がすまないよ、それだけじゃ。それに、瑛太のことだし言い訳するかも…。
……………ア、レ?
私、瑛太のこと、『好きだった』のかな?
…でも、それは明確な筈で―――――?
あぁ、もうわかんない。
悲しいよ……
涙が、
トマラナイヨ、エイタ。
…ダイスキダヨ。エイタ。
「ぅ…え、瑛太ああぁ」
あは、私結局、
今もあなたが好きなんだね?


