昼休み。
俺は和架との事もあり騒がしい教室で食べる気分になれず、屋上で昼飯を食べることにした。

けれどドアを開けると、

…なぜか抱き合っている崎田と、和架の姿があった。


「和架…!?」


驚きで、つい声があがった。



それを目撃した瞬間、俺はとにかく悲しく、辛く、苦しい気持ちになった。


そして、とりあえずその場を離れたくて…いや、

逃げたくて

何か言おうとしている和架のことも無視して、何か、つらつらと言葉を並べて

「別れよう」

「じゃあな」

それだけを言い放って、足早に屋上を出た。







――…俺、今何やった?



…あぁ、あん時の和架、こんな気持ちだったんかな?
何で、俺はいつも素直に言えないんだろう?
本当は別れたくなんかないのに………!




もしかして、俺、






自分で悲しむ前に、自分を守るために、
和架を傷つけた―――?



俺は階段の下の影になっている壁にもたれた。

「……〜っ!」

そして、声を殺して泣いた。



―その時だった。

「大好きだよぉ…ぅっ…瑛太ぁ…!」

その一言を聞いた瞬間、
俺は反射的に












――和架を抱き締めていた。