甘ったるいくらいで

そんな予感が、胸をよぎったけど、あたしは心の中で頭を振った。




・・・そんな、漫画の世界みたいな、空気の読める男なんかいないっつーの。





痛いほど、現実を見てきた。

愛されるのはいつも、素直にオンナノコできる子だ。



あたしは素直にオンナノコになれない。

心に巣食うコンプレックスたちが、そうすることを許してはくれないのだ。




もう、とっくに諦めた。

いつか、あたしの強がりを突き破って、迎えに来てくれる男など。


もう、どうでもいいやって思うことにしたんだから・・・。