甘ったるいくらいで

乾杯して、注文した料理がすっかり並んだころ、話はすでに盛り上がっていた。

話し上手のフミトくんと、盛り上げ上手のヒトミ中心に、リカもダイスケくんも楽しそうだ。


「あ、ダイスケくん、サラダいる?」

ヒトミの手が取り皿に伸びる。

「ありがと、気、きくじゃん。」

偉そうでもなく、いいじゃんこいつってニュアンスでダイスケくんが答える。


ヒトミは作戦上手だ。自分を魅力的に見せるポイントをちゃんと知ってる。

これはリカも同じ。

リカはかわいらしい外見にあった、しゃべりとしぐさで、男をしっかり捕まえる。





こういうとき。

あたしはいつも聞き手で、話を振られるまで、ニコニコしているだけだ。



ヒトミもリカも、あたしは大人しい子だっておもってる。


・・・ほんとは、違ってたりするんだけど。