甘ったるいくらいで



あたしは、両サイドの、鏡で自分だけを見ている女たちの会話を聞きながら、まったく別のことを考えてた。






・・・今日、何の入浴剤、いれよっかなぁ~・・・。

サクラもいいし、ラベンダーも・・・いや、ラベンダーだとまたお風呂で寝ちゃうか。

バスジェルでアワアワにしちゃおっかなぁ・・・。




あたしは今日もきっと、終電で帰ることになる。









「・・・ミナ?きいてる?」

「・・・え?あ、うん。」

「ちょっと、しっかりしてよね~!」


二人はいつの間にか用意を済ませ、準備万端だった。

あたしは二人の後を追っかけて、いった。