美・紗「つ、疲れた…」

はっきり言って運動神経が良くないあたし達は、息を切らしながら理科室へ入った。

浩・悟「おっせー」

浩太と悟がバカにするように笑っている。

美「うるさいしっ」

紗「ほんとー」

笑いながら返し、席へ着いた。

(ほ、ほんとに疲れた、)

肩で息をしながら席へすわっていると、

コツン

頭になにか当たった

(え、なに?)

そう思いながら辺りを見る

すると、机の上に小さな飴玉とノートの切れ端のような物があった。

ノートの切れ端をみてみる

『お前疲れすぎだろ、飴くって授業中寝ないようにスタミナつけとけ 浩太』

(ぷ、スタミナとか意味わかんないし)

浩太の方を見ると、不意に目が合った

(ありがと)

口ぱくでそう言うと、少し照れたように顔をそらした。

(…反則…だよなー…勘違いしちゃうじゃん…)

少し照れたような浩太の顔を思い出す。

きゅうう

(胸いた…)

何回あの人はあたしの胸を痛くさせるんだろう

そう思いながら、飴を口の中へ入れた。