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いつからだろう。
彼が私の心に居るのは。
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大変だった受験も終わり,
志望校に無事合格出来た私は,
新しく新調した制服を着た。
今日から新学期だ。
私の進学した学校は都内でも有名な進学校で, 同じ中学からは私を除いて、1人も合格者が出なかった。
「 りな , りな。 」
玄関を出ようとドアに手をかけると
義理の母親である美智恵がこちらに
かけよる。
「 何 ?. 」
「 これ, 帰りに叔母さんの家に届けてほしいんだけど....」
そういって渡して来たのは,
一枚の封筒だった。
「 お金なら嫌だよ。」
「 違うわ, 書類。 只の書類よ。」
「 分かった。いってきます。」
目を合わせる事も無く, 私は家を出た。
家から電車で30分。
初めて見る校舎に驚きを隠せなかった。
広いとは聞いていたけど、
こんなに大きいなんて。
「 そこっそこそこーっ!! どいてーっ!!」
後ろから声がしたと思えば、
腰あたりに重みがかかり,私は転倒した。
「 いったぁ.....」
「 ごめん!! 大丈夫⁈ 」
「 大丈夫大丈夫〜.....ぃてて....」
私にぶつかってきたのは,多分自転車だろう。必死で謝る彼の横に自転車が倒れている。
「 まじでごめん!! 痛い⁈ 」
「 大丈夫〜....」
