9709㎞の恋







「お待たせしました」


『うわ、旨そう。これなんていう料理?』


「アッシ・パルマンティエという料理です。私が初めて覚えたフランスの家庭料理です」






イギリスにこれと似た料理があり、それをコテージパイというらしい。

ピューレでひき肉をサンドするのがアッシ・パルマンティエで、ひき肉の上にピューレをのせたものがコテージパイらしい。






『いただきます』


「はい、どうぞ」






一口それを食べれば、めっちゃ上手い!と絶賛してくれた。料理もそんなするわけでもないから、純粋に喜んでくれたことが嬉しかった。



それにしてもなんかこの雰囲気、






「(夫婦みたい)」






他愛のない会話をして。何か一緒にいて落ち着く。初めて会った人なのに。 少し人見知りな性格なのに。


久しぶりに人の温かさを感じたな。