9709㎞の恋







その後は珈琲を飲みながら世間話をした。今の日本の話やフランスの話など話は尽きなかった。日本にはもう6年帰ってなく、話を聞いて少し日本に帰りたくなった。






『あ、もう1時になるんだ』


「そういえばお腹空きましたね。ポトフなら昨日の残りがあるので他の料理が出来るまで食べますか?」


『いいの?』






ということで、私は昨日のポトフ急いで温める。そしてポトフを食べてもらってる間、フランスの家庭料理を作る。






『俺ポトフって初めて食べた。旨いなこれ』


「そうなんですか?寒い日なんかよく作りますよ。あ、今から私の好きなフランスの家庭料理を作りますね」






楽しみだ、と彼は言ってポトフを美味しそうに食べてくれている。誰かの為にご飯を作るなんて。しかもそれを一緒に食べるなんて。


こんなことなんてフランスに住んでからはもちろん初めてだし、日本でもあまりこんなことしないから本当何年ぶりだろう。