9709㎞の恋







大きさ的に一般家庭のエアコンくらいの大きさ。例えが分からないかもしれないけど、本当にそれくらいの大きさ。


俺が選んだんだよ、と私の耳元でボソッと言った。突然の登場で私はついうわあ、と大きめの声で言ってしまった。






『ん?美樹どうした?』


「いえ、なんでもありません」






櫻木さんいるキッチンの方から私たちがいるここ位置は丁度見えない。それを利用して彼が私に話しかけてきた。


む、と彼を睨むと彼は満面の笑みを浮かべてた。その顔を見れば怒ってるのも馬鹿馬鹿しく思えてきて、わざと大きなため息をついた。






『ため息なんてついたら幸せが逃げちゃうよ?美樹』


「な!なんで急に呼び捨てなんですか!」


『いいじゃん。俺のことも燐って呼んでいいから』


「呼びません!」