『美樹は燐に会うのは初めてだよな』
「(初めてじゃないけど…)はい」
『燐は美樹の2つ下の19歳で、今日本で注目されてる新人の画家だよ。燐、挨拶しなさい』
『神木燐です。あなたのことは先生からよく聞いてますよ、"奥村美樹"さん』
よろしくね?と彼は笑って手を差し伸べてきた。この人、私のこと知ってて近付いてきてたんだ。しかも年下?全然見えないし。
よろしくお願いします、とお互い握手をすれば
櫻木さんは嬉しそうに笑っていた。
『とりあえずこの荷物どうしたらいいですか?』
「あ、じゃあこちらに」
彼は私と初めて会ったように接してくる。昨日のはまるで嘘だったかのように。さすがにちょっと寂しい。櫻木さんはそんなことで怒らないのに隠す意味が分からない。
っていうか、
「櫻木さーん、この荷物はなんですか?」
『美樹へのプレゼント。開けてみろ』

