ピンポーン
『ん、来たみたいだな』
「あ、そうみたいですね」
さっきの燐が淹れる味って何だろう。燐ってお弟子さんのことだよね?私その"燐"に会うの今日が初めてだし、まして淹れ方を教えてもらってないし。教わったのは観光客の彼だし。
気になりながらも、はーいと返事をして玄関のドアを開ける。
「え…?」
『こんにちは。昨日ぶりだね』
「な、んで…?」
『おお燐、悪かったな。運ぶの手伝わなくて』
『いいんですよ。荷物を運ぶのは若者に任せてください』
『生意気だな小僧。…美樹?どうかしたか?』
「え、あ、なんでもないです。どうぞ中に」
『(相当びっくりしてる)お邪魔します』

