ピピピピ、と目覚ましの音が鳴る。



昨日はなんやかんやで日付が変わる前には全てのことを終わらせて眠りにつけた。


今は6時。外は少し明るくなってきたところ。眠たい目を擦りながら起きて、冷たい水で顔を洗って目を覚ます。



彼に習ったやり方で珈琲を淹れ、それを朝食用として飲む。うんやっぱり美味しい。





「(あ、…)」






今彼のことを思い出して、もっとここにいればよかったのにって思ってしまった。たった半日一緒にいただけなのに、名前も年齢も知らない人なのに、なぜか彼のことを考えると寂しい気持ちになった。



でももう彼がここに来ない限り会うことはない。私が日本に帰ることはそうそうないし、帰っても1週間もいない。

帰ったところで彼が東京にいないと会えないし、いたところでわんさか人がいる東京で偶然会えるとは思えない。




つまり、もう一生彼に会えないってこと。