9709㎞の恋







2人分の洗い物といってもそんな時間かからず、珈琲を淹れ終わるよりも先に洗い物のほうが終わってしまった。






『あ、もう洗い物片付いた?』


「これから淹れるんですか?」


『うん』


「美味しい珈琲の淹れ方、教えてもらっていいですか?」






そう言うと彼は嬉しそうに笑って、やりながら説明するから隣に来てと言った。あんな笑顔を見せられたら心臓に悪いと思いながら、私は急いで紙とペンを取りに行って彼の隣に行く。







『まず人数分のコーヒーの粉を入る。1人分の標準量は、メジャースプーンがないからティースプーン約3杯ね。今は2人分淹れるから約6杯』


「メジャースプーン?」


『珈琲淹れるためのスプーン。 ドリッパー買った時に付いてると思うんだけど…。まあ今度俺がプレゼントするね』