七瀬さんじゃなくていいよ

私は亜美との話に思考を戻す。
確か、返事に行くとか、行かないとか言ってたな。
「私なら、行くかな」
「今から?」
「うん」
あ、今のそっけなかったかも。
「うーん、なんて言えばいい?」
「ジュリエが思うように」
これは結構いい答えじゃん。

私たちは駐輪場のパイプに腰掛けた。
じわじわと冷たさが伝わってくる。
カバンを乱暴に足元に置いた。