七瀬さんじゃなくていいよ

「舞はどうだったの、風助に告られたとき」
亜美は私に顔を近づけて、目をキラキラさせている。

外に出ると、運動部の掛け声が重なって、オーケストラのように聞こえる。
それぞれの部活の楽器がそれぞれの音を出して、重なって、
空の高い高いところまで行って、弾ける。
まだバレー部のアルトが鳴っている。
やった、今日も風助と二人乗りできる。