そーだそーだ! お互い何とも思ってないんだから、八つ当たりすんな! べー、っと浜崎斗真の背後から舌を出すと、佐藤さんは悔しそうな表情をした後、 「・・・・・わかった」 と、小さな声でつぶやいて、取り巻き達と空き教室を出ていった。 「いやー、それにしても貴重な体験をしたね、うん」 ヒロインの体験ができるなんて。 私なんて漫画で登場するなら教室の隅にいる目立たないモブキャラだと思ってたのに。 そんな私を、ちらりと横目で見た浜崎斗真は、 「そこは漫画通りにはいかねぇのな」 と小さく呟いた。