っていうか、浜崎斗真の奴ほっぺたのことには何も触れてこなかったし。




未だに熱を帯びている頬を手で冷やしながら、あたしは教室へと向かう。




まぁ、浜崎斗真にかかわっちゃったあたしも悪いけどさ。




どうしたのくらいは聞いてもいいんじゃないでしょうか。




悶々と考えながら歩いていると、




「あれ、お前そのほっぺたどうしたの」




と、隣のクラスの中原龍也(ナカハラタツヤ)が声を掛けてきた。




龍也とは一年の時クラスが一緒で、たまたま話した時に同じ漫画が好きということで仲良くなった。




「ちょっと、面倒なことに片足突っ込んでしまって」




フッと哀愁漂わせながら言うと、




「え、現実の話?」




と、ちょっと戸惑いながら聞いてきた。