ワナワナと震える拳を握りしめていると、




「ごっそーさん」




と言って空になったお弁当箱を渡された。




「あ、ちょっ」




そのまま去ろうとする浜崎斗真の背中に声を掛けようとすると、




「弁当それだけじゃ足りねぇから、明日からもっと作って来いよ」




と振り返って言った。




浜崎斗真を落とすためにこれから毎日作ってこようとは思っていたけど。




・・・・・作って来い、だって?




なんで命令形?




作ってきてください、でしょ?




ギュッと握り締めたお弁当箱から、ピシッと言う音が聞こえた。