グイッとお弁当箱を押し付けた。 渋々ながらもお弁当箱を受け取った浜崎斗真は、 「なに、料理上手いですアピールで胃袋掴もうって?」 と、あたしの作戦を見事に当てた。 「そ、そうですが何か?」 どもって言うあたしに、ふーん、と相槌を打つと、浜崎斗真はお弁当箱を開けた。 「へぇ、意外とマシなモン作れるんだ」 まだ信じていなかったのか、お弁当箱の中身を見てやっとそう言った。