容姿もたいして美しくなく、色気の“い”の字もないあたしには色仕掛けなんて到底無理だった。 「ま、頑張りな。美緒には二次元があるじゃん」 ポン、とあたしの肩に手を置いた莉緒ねぇは、グッと親指を立ててウィンクする。 そんな漫画の中だけでのポーズも莉緒ねぇは様になっている。 いや、それが二次元だけじゃどうにもならないんですよ。 あたしは莉緒ねぇに力ない笑みを浮かべると、とぼとぼと部屋に戻った。