ピキッと額に青筋が浮き上がった時、ドン、と足元に衝撃が走った。
見下ろしてみると、そこには
「おねーたん」
と言ってにっこり微笑みながらあたしのことを見上げる3歳の次男、玲緒(レオ)が足にしがみついていた。
くそかわいい。
「玲緒たん!!」
あたしは真緒に怒ることも忘れて、足元の玲緒を抱き上げる。
「あー、ほんとかわいい。まじかわいい。なんでそんなにかわいいの玲緒たん」
ギュッと抱きしめながら頬擦りをすると、キャッキャと嬉しそうに笑う玲緒。
「そりゃあたしの子だからに決まってるでしょ」
キッチンのほうからそんなお母さんの声が聞こえてくる。

