「和也ーー」 一応親友である、一之瀬葵が教室の前の方から大声で俺を呼んだ。 「なんだよ・・・そんな大声出さなくたって聞こえてるっつの」 葵は、いわゆる可愛い系男子。 茶色の癖っ毛に必要以上にデカい目。 これで何人の女引っかけてきたことか・・・ 「えー、一緒に帰ろうって誘おうとおもって♪」 男のくせに、語尾に♪をつける癖はいい加減辞めてほしい。 仕方なく葵と一緒に帰ろうと、鞄をもって二人で学校を出た。