「お!和也」
中2の生意気野郎-祈
の調子に乗った一言を
「和也くんだろー」
なんて軽く返す。
明らかに顔が緊張してるんだ。
それは、祈だけじゃない。
凪も葵もヒロも、そして俺も。
もしかしたら、客席にいる赤西だって。
「和也おはよー…」
「はよっす。髪ボサボサ…」
葵のあからさま寝起きの挨拶も今日は微笑ましい。
緊張していないと言えば嘘になるけど、それ以上に楽しみだった。
いつも何かとリーダーである赤西に頼っていた俺達が。
赤西のいないKee-pをどう魅せるのか。
そして何より…
「ファンはどんな反応するかな」
凪の一声により、楽屋の空気がピンッと張りつめた。
「翼君の熱狂的なファンは即帰るだろうね」
それは誰もが思っていたが口に出せなかった真実。
葵ってそういうところはっきりしてんだよなぁ・・・
