「なんでもないよ。」 顔をあげた彼女が まだ透けている。 「心配かけたね」 「べ、別に…」 フッと笑った彼女をどこかで見たことがあった気がする。 「なぁ!」 「私、もう行くね」 「あ、あぁ」 聞きたいことも聞けないまま彼女は俺から遠ざかって行く。 いつかのように