その人の髪の色は茶髪で目の色は紫だった。
……不良?暴走族?
多分、あの目はカラコンだな。
その人以外にかっこよかったりして。
「美雨ーー」
お母さんに呼ばれて歩き出す。病院から久しぶりに出たかもしれない。鼻をくすぐる太陽の香り。鼻の奥がツンっとなって、自然と涙が出てきた。
お母さんが腕を広げる。
その胸に向かって抱きついた。
「お母さん、ただいまっ!!」
「おかえり、美雨。頑張ったね。仕事が忙しくてお見舞いに行けなくてごめんね」
「ううん、いいの。
楽しかったし?」
「楽しかったの??
今日はずっとお母さんの隣にいてね??
美雨の事離さない」
私は、うん!と頷き、車で家まで帰った。
