「わりぃわりぃ、お前、よくチビチビ言われて泣いてたよな」



大輝がまたヘラヘラ笑いながら言う。



その顔に見覚えがあった。




「あー!!」



突然私が大声をあげた。


「な、なんだよ…びっくりするじゃねーか…」



「あなた、悪ガキ大将の大輝兄ちゃんじゃない!」


「おっ♪思い出した?」



そう、よく私をからかってきた大輝兄ちゃんだった。



たしか、私より二つ上だったはず…


「ってことは、大輝兄ちゃん高3になるの??」



「そゆことーっ」


大輝兄ちゃんはニカッと笑ってみせた。


昔からこの笑顔だけは変わらない。