「お元気そうで安心いたしました。
さぁ、桐島様の家に着きました」
東山さんは車を止めると、リムジンのドアを開けて、私はそこから出た。
目の前には結構豪華な家。
桐島一家のことは、本当に小さい頃しか接点がなかったから、そんなに覚えてなかった。
「最後までお見送りしたいのですが、旦那様のお仕事のお手伝いがありますので…」
「ありがとう東山さん!お元気で!」
私は、東山さんに手を振ると、桐島と書かれたプレートを確認し、インターホンを押した。
『ピンポーン』
「はーい」
と中から女性の声が聞こえる。
「あ、あの…城ヶ崎葵です…」
緊張した声で言うと、その女性の声はいきなり明るくなる。
「あら葵ちゃん?!どうぞ上がって上がって」
私は玄関のドアを開けた。

