お嬢様と5人の男子の恋物語

「よし、じゃーよろしくなっ!」


綾ちゃんが手を差し伸べてきた。



その手をとると、私は綾ちゃんの首に腕を回して軽くハグした。


アメリカの簡単な挨拶。



「?!」



みんなが驚いた。


「あ、ごめん…ずっとアメリカにいたから、癖で…」



綾ちゃんの顔を見ると、耳まで真っ赤だった。



「あ、あれ?綾ちゃん大丈夫?熱あるの??」



私が顔を覗き込もうとすると、



「ちょ、わかったから離れろっ!」



綾ちゃんが有無を言わさず、私をはがした。


「ごめん…綾ちゃん…」




「…綾ちゃんって呼ぶなよ…ガキじゃねーんだから…ほんと…」



綾ちゃんがボソッと何か言う。


「ん?何か言った??」


私が首をかしげると、綾ちゃんの顔がまた赤くなる。



「な、なんでもねぇよ!」



と言い残してリビングから出てった。


「さわがしいやつ…」



翔兄がメガネを外しながら言う。


「私、ほんとに大丈夫かな…」




少しずつ不安が募る。






こうして、波乱の生活が幕を開けた。