お嬢様と5人の男子の恋物語

「へぇー、つまりしばらくはここで暮らすのか」



大輝兄ちゃんは、興味無さそうに言う。



「それでね…」



佳代さんは、申し訳なさそうな顔をして私を見る。


「実姫さんから、葵ちゃんが来るって連絡が来た後、私のお父さんが体調を崩しちゃって…」


実姫(みき)さんとは、私の母の名前。


なんだか嫌な予感がした。


「しばらくこの家を留守にしちゃうの」



「つまり、今は父さんもいないから、この家には俺たち五人と葵だけって訳?」



「え…」




予感的中。


この家に女子一人って…何が起こるかわかったもんじゃない…!



「葵ちゃん、家事できるよね?」


「まぁ…一応…」


お母さんが佳代さんに連絡した後、急に私に家事をさせてきたのは、この事か…



お母さんは何でも面白がる癖があるから、きっと私には内緒にしてたんだ。



もちろんお父さんにも…