「あー葵姉ちゃんか…ってなんでここにいるの?!」



「あ!俊くんか!私より泣き虫だった!」



ふたりで同時に喋ったので訳がわからなくなる。


「二人で一緒に喋んなよ」


呆れたように大輝兄ちゃんが言う。



そしてまた、リビングのドアが開かれた。



今度で五人目。


「ふぁー…ねみぃ…」



目をこすりながら現れたのは、恭介だった。



恭介の事は覚えていた。


私の初恋の人だから。



「恭介、今起きたのかよ」


翔兄がクスッと笑いながら、メガネの位置を人差し指で直す。



「休みだしいいだろー」


恭介は私に気づくと、さっきまで眠そうなだった目が一気に開く。


「葵…?」


「なんだ、恭介覚えてたのか」



綾ちゃんが嬉しそうに言う。



「うん、まぁ…
で、なんでここにいるの?」


その時、佳代さんが手を叩いた。



「ちょうどよく集まったわね!
事情を話すから、みんな座ってー!」



そしてソファーに促す。



佳代さんは、私が来たことを説明した。