ジョナサンは優雅にマイクに向かい口を開いた。
『ようこそゲームに参加して頂き心から歓迎と感謝致します。』

会場から歓声が上がった。



俺達だけは黙ってジョナサンを見ていた。



ジョナサンはニッコリ微笑みながら歓声に満足する様に再び口を開いた。


『このゲームも参加者の皆様のお陰様で38回目を迎えました。そして、今回は少し趣向を変えまして、最高得点ポイント人物を仕留めたチームはその場で優勝と言うボーナスを設けました。』

会場の歓声は更に大きくなった。

ジョナサンは碧さんにニッコリ微笑み、そして話を続けた。


『初めて参加の方々にも優勝のチャンスがあるのです。是非頑張って下さい。

尚、各々仕留めた人物の得点に関してはこれから配るバッグの中にタブレットを入れましたので、その場で確認できるシステムを導入いたしました。
地図もそのタブレットにインプットされています。』


ジョナサンは相変わらず笑みを絶さず喋った。


『バンガローの部屋の番号がそのまま、チームの番号になります。

これからランダムに抽選いたしまして、呼ばれたチーム番号の方々はステージに上がって頂き、バッグとインカムを受け取り会場から出ていって頂きます。

会場から出ていってからこのエリア半径1キロ以内に3分以上留まっていますと死亡とみなすので、ご注意下さい。

全員が会場から出発致しますと、この会場と本部は進入禁止エリアになりますので、お気をつけ下さい。

禁止エリアに侵入した場合はその場で失格になります。先程、皆様に埋め込まれたチップはGPS機能もあるので、その点は充分に心に留めておいて下さい。』


ディーンはジョナサンをずっと睨んでいた。
獲物を見定めた獣の様な目付き。
ジョナサンは気にも留めていない。


『では、これから抽選を始めます。』



ジョナサンは優雅にステージを後にした。



気に入らない奴だ。人の神経をヤスリで逆撫でする様な変な自信と、人格の持ち主だ。