gardenquartz 小さな楽園

俺達は各々明日の夕方から始まるゲームの事、自分自身の事を思いながら眠りについた。


明日は、最終チェックとか、バタバタとゲームに向けて忙しくなる。
休めるうちに体を休めておこう。


風が部屋に吹き込んで来た。
俺は体を窓辺に向きを変えテラスを見た。
ディーンがテラスの長椅子に座り、煙草を吸いながら月を眺めていた。


その目は何時もの獣の目付きでは無く、誰かを想い、切なく渇望している目だった。


俺は静かにまた向きを変えて、ディーンに背を向け目を瞑った。





碧木はキャットが眠りにつくまでベッドに腰をかけていた。
そして、キャットの髪を優しくソッと撫でていた。
キャットの息遣いが、規則正しくなっていった。
キャットが眠りにつくと、碧木は静かにベッドから離れて、テラスに出た。


煙草を取り出し、火をつけた。
碧木の瞳は爛々と燃えていた。
人間をオモチャにしてまで、このゲームをやることに何の意味があるのか…。
金…。
碧木のやり場の無い怒りは心の中で静かに燃え広がっていった。



全てはアノ男、ジョナサン･バンクが裏で行っている。
アノ男をこの手で消さなければ、本当にこのゲームを終わらせる事は出来ない。


碧木は決心と覚悟を決めた。



各々の想いを月が静かに夜空を照らしていた。