gardenquartz 小さな楽園

『オヤジを知ってるんですか!?』
修利は目を輝かしてディーンに詰め寄った。
『オヤジとは何処で、どんな人でしたか？』


ディーンは目を細めて、修利を見ている様だったが、おそらく、修利を見ることで、修利のオヤジさんの面影を見ていたんだと思う。

『アルフィとは暫く俺と連んでた、数少ない俺の友人だ。
そうか、奴の息子か…。』

ディーンは懐かしそうに修利に語りだした。

『アルフレッド…。アルフィはタフな野郎だった。俺も傭兵に成り立てで、名前を売るのに必死だった時に知り合ったんだ。
野郎の部隊に配属された日に奴と殴り合いの喧嘩をした、最悪の出会いだったな…。』


修利はじっとディーンの話を聞いていた。

俺や碧さん、キャットも黙って聞いていた。


『殴り合いの喧嘩をした筈なのに、殴る度に心が通じ会う、不思議な感覚だった。要は似た者同士だったと思う。
最後は二人とも地面にぶっ倒れて、笑ってた。
それから、俺とアルフィはコンビで作戦を次々成功させていった。』


ディーンはポケットからZIPPOを取り出し修利に投げた。
修利はZIPPOを両手で受け止めた。

『奴が使ってたZIPPOだ。息子のお前が持つ方が良い。
アルフィが日本に惚れた女が出来たと言ってたが、お前の母親の事か……。』


修利はゆっくり確かめる様にディーンに聞いた。
『オヤジは今、何処に？』


ディーンは小さく溜め息を付いて答えた。

『アメリカの軍刑務所に居る。恐らくまだ、ソコに居るだろう。』


修利は少し震えた声でディーンに聞いた。
『オヤジには会えますか？』


ディーンはニコリと笑い言った。
『あぁ。面会は出来るだろう。きっと奴は喜ぶと思うぞ。』


修利は涙を浮かべながら、頷いた。


ディーンは右手で修利の頭を優しくクシャクシャと撫でた。

『会ってやれ。必ず。』



俺や碧さん、キャットも微笑んでた。