朝日を浴びて俺は眩しさで目が覚めた。
横には碧さんが朝日を浴びながらまだ眠りの中に居た。

綺麗な寝顔だった。無防備で安らかな寝息を微かにしている。


俺はずっと碧さんの寝顔を見ていた。
俺は昨夜の夢のような出来事を夢じゃないと確認しながら思い出していた。


白い肌に美しい流れる髪を乱した碧さんが愛おしくて、俺は抱き締めていた。

碧さんが俺の腕の中に居る。
碧さんが俺の名前を耳元で優しく囁く。



『ん…。』
碧さんが眩しそうに目を開けた。

『おはよう。』
俺は碧さんのおでこに軽くキスをした。
碧さんはニコリと微笑み言った。
『おはよう。』



俺はシャワーを浴びに行った。
朝の光が射し込むシャワー室で熱いシャワーを浴びていると、碧さんが入ってきた。
朝日の光が碧さんの白い肌に輝いている。俺は碧さんを抱き寄せキスをした。
碧さんの白い腕が俺の体に絡み付く。

シャワーの熱気が2人を包んだ。






『出来たわよ。』
碧さんが俺に声をかけた。
朝食を作ってくれたのだ。
俺はテーブルに碧さんと向い合わせで座り朝食を食べた。


俺の電話が鳴った。
画面を見るとスタジオからだ。
『ごめん。ちょっと電話に出るね。』
そう言って電話に出た。

『こんにちは。デザイン画が出来たんだけど、見に来れるかな?』


俺は時計を見た。もう昼を過ぎていた。
『はい。一時間後でも大丈夫ですか?』


『今日はピアッシングの予約だけだから何時でも大丈夫だよ。じゃあ、待ってるから。』


『はい。じゃあ。後で伺います。』
俺は電話を切った。


碧さんが聞いた。
『出掛けるの?』


俺はスマホを置きながら答えた。
『うん。スタジオに行ってくる。』

碧さんが少し驚いて聞いた。
『スタジオってtattooshopでしょ?何か彫るの?』


俺は然り気無く答えた。
『うん。碧さんと同じのを彫るつもり。』


碧さんはガタンと大きな音を立てて椅子から立ち上がった。
『私の蠍を?本気なの?』


俺は立ち上がった碧さんを見て答えた。
『うん。もう決めたんだ。』


碧さんは今度はストンと椅子に腰かけ下を向いて首を横に振って溜め息をついた。

『もう決めたんだ。』
俺はもう一度、同じことを言った。


碧さんは視線を窓に向けて何か考えていた。
俺は黙々と朝食を口に運んでいた。