アルフレッド達は静まり返った廊下を不振気に歩いていた。


おかしい…。
静か過ぎる…。

碧子もそれを感じていた。

アルフレッドはカードキーを取り出し、２人に向けて言った。
『いいか。ここにジョナサンが居る。覚悟は出来てるな？』


2人は頷いた。
修利は碧子に肩を貸していた。
碧子の太ももの傷がかなり痛んでいて、もう１人では歩けなくなっていたが、行くと聞かなかった。


アルフレッドはカードキーをスキャンして扉を開けた。
そこで見た光景はガラスの筒に閉じ込められたディーンの姿と銃を構える和樹。
そして、壁に寄り掛かるキャットの姿だった。


アルフレッドはジョナサンに向かい銃を構えて撃った。
弾は見えない何かで弾かれた。
アルフレッドは数発続けて撃った。
しかし、同じく弾は全て弾かれた。

『無駄だよ。アルフレッド。私の前には防弾ガラスがあるからね。』

ジョナサンはモニターの前にも防弾ガラスを設置していた。

アルフレッドを押し退けるように碧子と修利が部屋に入って来た。
碧子を見たジョナサンはニコリと笑い言った。
『やぁ。碧子。会いたかったよ。』

碧子はジョナサンを睨んで言った。
『ジョナサン。ディーンを放しなさい。』


ジョナサンは首を横に振り笑いながら答えた。
『碧子の頼みでもそれは出来ない。残念だがね。』



扉が碧子達の背後で閉まる音がした。



そして、カチリと何時もと違う小さな音がした。