ジョナサンは砂嵐のモニターに苛立ちを隠さなかった。

『SP達は何をしている!!一体何が起きてるんだ!!』


ジョナサンは苛立ちの中の恐怖感を認めたくなかった。
状況が分からない事がこんなにも自分を不安にさせ恐怖に感じることを怒りと言う感情に置き換えていた。



SP達はそんなジョナサンを冷ややかな目で見ていた。
所詮は金で雇われた輩達だ。


別室では、椅子に縛られ部屋の真ん中に口を塞がれたディーンが居た。
しかし、扉の向こうの様子は手に取るように把握できた。


窓の外を見た。
日没まで後少し。
オチビちゃんや坊や達は大丈夫だろう…。


ジョナサン。
アイツは哀れな男だ。
アイツを見ていると堪らない気持ちになるのは、何故だろう?



ディーンは後ろで縄で縛られている両腕を少しずつ、動かしながら、もがいていた…。
はやる気持ちを抑えて、慎重に縄を外して抜け出さなければ。



ガチャ…


扉が開いた…。
ディーンは手を動かすのを止めて、扉に顔を向いた。


入ってきたのはSPで1人だった。
SPは扉を静かに閉めて、ディーンの前にたった。


ディーンはSPの姿をジッと見つめた。


SPは溜め息をついた。


そしてナイフを取り出すと、ディーンに向けた。
ディーンは冷静にナイフを見ていた。

すると、SPはナイフをディーンの顔の前でちらつかせて言った。


『お前は昔からムカつくくらい冷静だったよな。』

ディーンは目を丸くした。この声は懐かしい声だ!!

SPはサングラスをずらして目を見せた。