「あっ、おっ、おい!」






「きゃっ!」






私はさっきぶつかった彼に腕をつかまれて


いた。






彼の顔を見ると……。






あっ!拓斗王子だ!






朝、玄関の周りで美優と話していた、拓斗


王子だった。






しばらく見つめていると、






「お前、夢香か?」






拓斗王子は私の名前を口にした。






「そっ、そうですけど。どうして私のなま


っ、んっ、」