──ガチャ──






夕日のせいか、水川がいつもより大人っぽく見える。



『何してるんだ?』






「夕日を見ているんです。」






『俺も混ぜてくれ』







俺は、水川の横に寝っころがった。





『キレーだな。‥こうしてると何もかも忘れてしまいそうになる。』




俺が教師だということを‥




「私は、こうして空を見ていると何もかも忘れられそうで‥だからここが好きなんです。空に一番近い屋上が。」






そう言う水川は、どこか淋しそうで‥でもキレイだった。






『そうだな。』






「先生は、何か悩んでいるんですか?」



突然、水川は俺に思いもよらないことを聞いてきた。





『……あるよ。どうしたらいいかわからない。ただ、俺も辛い……』




俺の正直な気持ち…







俺は、水川を見た…




でも、振り向いてさえもくれなかった……