『おい、覗きか?』





俺が近くにいることに気がついていなかったのか、体を一瞬ビクンとさせた。





そんな水川が可愛かった。





水川は慌てて、俺を見る。




『お前、ずっと話し聞いてただろ』

俺は、意地悪のつもりで聞いた。






「…先生、モテモテだね‥(笑)」






『高校生の好きなんて今だけなんだよ』







水川‥お前もそうだろ…?






「先生‥高校生だって皆、真剣だよ?」



そう言って、水川は俺の前から走り去った。






え?







泣いて‥た?







水川………?






……じゃぁ‥水川は、俺に真剣に………?






お前の気持ちから逃げて‥俺の気持ちからも逃げて‥言ってしまった一言で、水川にヒドイことを言ってしまった。




俺は……お前が気になって仕方がない。

水川が懐いてくれてるから気になると今まで自分に言い付けてきた。




でも違う……







俺は、気付かないふりをしてきたんだ…自分の気持ちに‥水川の真剣な気持ちに‥この時、はっきりと気付いてしまったんだ‥



水川……