「しるふは、ER勤務かー、あー、きっと付き合っても忙しいとかなんとか言って結局ダメになるんだろーなー、ん、あの子今何歳?みたいな思考ルートよ」

「別にだめになるとかわかんないじゃない」

一応これでも二年海斗とはうまくやっているし

「でも、お見合いなら最初からそこら辺の情報オープンなわけだし?まあ、もしかしたらとびっきりいい男が飛び出てくるかもしれないじゃない?」

だったらここはまずやってみるべきだなーと

どう?

不適に口角を上げる姉は、もしかしたら研修医時代の海斗よりも恐ろしいかもしれなかった



「だから!!お願い!!海斗!!」

ふわりとコーヒーの香りが漂う中、しるふの合わせた両手から乾いたいい音が響いた

「別にいいけど」

「え!?マジ!?海斗、彼女の家に行くってことがどういうことかわかってる?」

驚いたように顔をあげるしるふに

「お前、ばかにしてるだろう」

手のポットから視線を外し、軽く睨む

「全然!!してない!!これっぽっちも!!むしろ大歓迎!!」

ぶんぶん、と激しく首を振るしるふは、本当にいい性格をしている