それは、突然だった…

というより、突拍子もなかった


「はあ!?お見合いー!?」

「そうよ」

ソファにふんぞり返り腕を組みながら、姉は当然と見返してくる

「そうよって、どうしてそういうことになるの!?」

由斗兄!?

半ば救いの手を求めて兄を振り返る

「本気じゃないさ、しるふがこのまま独身貴族にならないようにって紗雪の過保護の表れだよ」

諦め半分、仕方ないとその顔は物語っている

「過保護じゃないわ。妥当な心配よ。たいだい、国立大学医学部現役卒、ER勤務の女医なんてどこに貰い手がいるって言うのよ」

そこら辺の男尻尾巻いて逃げ出すわよ

「だからってお見合いなんて、なんでしなきゃならないのよ!」

尻尾巻いて逃げ出す男しか来ないじゃない!!

「紗雪は、しるふに幸せになってもらいたいんだよ」

紗雪の隣に座る速人のフォローの声が、とても穏やかに響く

「だからって何でお見合いよ。このご時世に?どこの文化?」

てか、どこからそんな発想になるわけ?