「ええっと、じゃあ、…チョコムースとババロアとショートケーキとアップルパイとティラミスは食べたから、それ以外を!!」

にこにこと笑顔を向けるしるふに海斗の呆れた瞳が向けられる

「あ!!でも待って。アップルパイとティラミスはもう一回食べたいなー…」

あー、でもショートケーキもおいしかったかも…

「わかった、もういい。ひとまずある奴全部持ってきてやる」

放っておいたら覚えきれそうにもない(覚える気がない)注文をさらに付けられかねない

そう結論付けて、しるふの言葉を遮る

いったいどこにそんな量の食べ物が入るというのか

折れそうに華奢な(海斗に言わせれば)しるふを思い出し、海斗は一人首をひねる

「そう?じゃ、今言ったの以外は二つずつお願いね!!」

あまりにも隣でおいしそうに食べているし、

きっとそのまま食事を続けたいだろうから

飲み物を取りに行くついでに、なんて考えた自分がばかだったと

小さく手を振るしるふの声を背後に聞きながら、海斗は小さくため息をつく

どうしてあれに落ちたんだと最近よく疑問に思うのは、決して間違っちゃいない