あの時とこれからの日常

思えば、あれが私たちの本当の始まりだったのかもしれない

たとえ言葉が少なくとも、連絡が返ってこなくとも

その瞳が、優しい光を宿すなら

響く声音が優しさをはらむなら

海斗を信じていける、そう思うことができたのだから

そのことに気が付くことができたのだから


これからは遠慮なんてしないでメールも電話もしてみよう

そう思って、しるふはふと

海斗は、しるふが本当に出てほしいそう思った連絡には必ず出ることを思いだした

久々に頭を撫でられながら

こいつはエスパーか

実は霊感あったりするんじゃないのか

と、今更ながらに海斗の不思議さを実感する

「…ま、いっか」

なんでだろう、なんて考えていてもきっとこいつのことだもん、わかりゃしない

ぼそっとつぶやいたしるふに海斗がふと不思議そうな瞳を向けてくる

その奥に人知れずある温かな光にしるふは、うれしそうに微笑んだ