あの時とこれからの日常

「ねえ、」

放たれた言葉は我ながらとげがあった

不機嫌なことがありありとわかる

もう少し冷静に話をしようと思っていたのに、いざ海斗を前にするとついつい喧嘩腰になってしまった

しるふが不機嫌なことは声からわかるだろうが、特に構えるわけでもなく海斗が見上げてくる

「なんでさ、連絡くれないの」

聞きたいことは、言いたいことはこれじゃなかったはず

でも口をついて出たのは、一か月間の不満だった

これじゃ本気で喧嘩を吹っかけてるじゃないか

そうどこかで冷静な自分の声がするけれど、それを構っていられるほど今の自分は機嫌がよくない

「連絡って」

「一か月間。海斗からメールもないし、電話もないし。電話しても出ないし、メールしてもすぐに返ってこないし」

自分、声低いな

「私、海斗がわかんない」

沈黙の後放たれた声は少し震えていたような気がする

「本当に海斗が私を好きなのかが、わかんない。隣に居てもすごく不安になるもん。これじゃさ、付き合ってる意味ないよ」

溢れてきた涙をこらえるように唇とぎゅっと噛む

「別れたい?」

静かに問う海斗の声は抑揚にかける