あの時とこれからの日常

「ええー、そういう話でしょ?要は、私が海斗から離れて行っちゃうんじゃないかって言うさ」

素直じゃないなー

にっこりとほほ笑むしるふに海斗が胡乱気な瞳と盛大なため息を返しつつ

「別にしるふが言い寄られることはこれっぽちも気にしないけど、祈たちにいらん心配はかけてやるなよ」

「一応さ、これでも仮にも妻なのに、そんな妻がたとえ興味がなくても男に好意を寄せられてるかもしれないのに、どうしてそういう発言ができるかな」

もっと愛を感じられることは言えない?

「わかった。じゃあ、そういう心配をかけるなら俺だけにしておけ。これでどうだ」

一度手を止めてしるふに向き直って告げられた海斗の言葉に、しるふは考えるようなそぶりを見せ、

「…、上出来、かな。さすが海斗」

まあな、そう言って手を進める海斗の横顔にしるふは満足そうな笑みを見せる

「じゃあ、そんな海斗君に一言」

トン、と包丁がまな板の上に落ちる

交差するのはブラウンと漆黒の瞳

「何かある前に海斗がどうにかしてくれるもんね」

だから、大丈夫